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水蒸気透過量の絶対値測定方法の原理

      従来、真空容器内に。絶対量が既知である水蒸気を。安定に、再現性良く導入することは、困難であるとされてきましたが、
(独)産業技術総合研究所で開発した「標準コンダクタンスエレメント”SCE”」を用いると、それが可能になります。
SCEとは、コンダクタンス(気流の流れやすさ)が既知であるステンレス製多孔質体であり、孔の大きさが1um以下と
極小さいことに特徴がです。気体は、大気圧下では、一般的に「粘性流」と呼ばれる液体のような流れ方をしますが、
バルブ等を介して真空容器に導入する場合、「中間流」を経て、最終的に「分子流」という個々の気体分子が独立して
運動する状態へ以降します。この時「中間流」に、複雑な非線形現象が含まれるため、流れを特性よく説明することが
困難でした。SCEを用いると、気体の流れを「中間流」に介することなく。「粘性流」から「分子流」に直遷移させると
ができます。これにより、流れの特性を、流体力学と気体分子運動論という、公知の物理学で説明できるようになりました。
従って、気体種が変わっても、流量を解析により正確に見積もることが可能になり。すでに水蒸気を用いても、既知の
絶対値を持つある一定量の水蒸気を真空容器に導入できることが確認されています。
SCEの分子流コンダクタンスは、国家標準にトレーサフルな値として校正をすることが可能であり、SCEを用いることで
実現する、定量化された再現性の良い水蒸気を流れは、質量分析計を校正するための信頼性の高い基準となります。
このようにして校正された質量分析計で水蒸気バリア膜を透過した水蒸気を測定することにより、水蒸気透過量の絶対値を
国家標準にトレーサフルな信頼性の高い値として、保証することが可能になります。

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